殺陣（たて）に挑戦！

冬らしい寒さの中、浅草公会堂で開催された「殺陣（たて）に挑戦！」。殺陣師：井上謙一郎さんとアシスタントの嵯峨のんさんを講師に迎え、「親子クラス」、「キッズクラス」、「一般クラス」と、年齢や立場に応じた3つのクラスに分かれてワークショップが行われました。参加者たちは時代劇の世界を体験し、充実した楽しいひとときを過ごしました。

各クラスの共通点は、まず礼儀作法から始まる武道式あいさつ。正座・黙想・礼で心を整えた後、準備運動で体をほぐし、刀の名称（つか、つば、さや、鯉口など）の説明を受けます。そして、いよいよ模擬刀や木刀を使った本格的な稽古へ進み、井上先生の的確で楽しいご指導のもと、抜刀、納刀、正眼の構えから切り下ろしといった基本動作を習得していきました。のん先生も優しく丁寧に参加者をサポートし、全員が安心して稽古に取り組める雰囲気を作られていました。

最後には、どのクラスでも2人ペアで発表会を行いました。「親子クラス」では親が斬られ役を務めることが多く、子供たちが満足げな笑顔を見せていたのが印象的でした。「キッズクラス」では、元気いっぱいの子供たちが大人顔負けの記憶力と演技力で殺陣の型を演じ切り、みんなを驚かせました。「一般クラス」では、様々な年代の参加者が集まり、稽古中は真剣な表情で取り組みながらも、発表会では笑顔を交え楽しそうに演じる姿が印象的でした。

最近ではテレビで時代劇を目にする機会が少なくなりましたが、アニメやゲームの影響で、日本刀や剣術が子供から若者の間で人気を集めています。その影響もあってか、今回のプログラムは老若男女問わず多くの参加者で賑わいました。
初心者でも安心して参加でき、参加者同士の温かい交流が魅力のこのプログラム。殺陣を通じて時代劇の魅力と刀に込められた文化を再発見する貴重な機会となり、参加者たちは達成感に満ちた忘れられない一日となったことでしょう。