たけしが認めた若手芸人
有料
出演される若手芸人さん方の明るい挨拶がとても印象的でありました。開演が間近に迫った会場には、高揚感と緊張感が混ざり合ったような独特な雰囲気が漂っておりました。
この日会場に足を運んでくださった観客の皆様には、「投票用紙」が配布されました。若い年代の方もかなりおられ、そわそわとした観客席からは「開演が待ちきれない」という言葉が聞こえてくるようでありました。
いよいよ舞台の幕が上がります。まず、MCを務められるアル北郷さんと〆さばアタルさんによって、審査員、及び見届け人の方々のご紹介がありました。高田文夫先生、ナイツのお二人、宮藤官九郎さん、そして服部征夫台東区長。壇上では大変豪華な方々によって、大変貴重なお話が展開されていきます。
今回は一組一組に厳密な採点が為されるのではなく、審査員の方々のご意見と会場の皆様の投票によって「一番ウケたコンビ」を決めるという仕組みで優勝が争われます。登壇した若手漫才コンビの皆様は、駆け抜けるように自己紹介をされた後、優勝を占うといっても過言ではない順番決めのくじを引いていきます。くじ引きの最中、壇上に異変が。突然、江戸まちたいとう芸楽祭実行委員会名誉顧問であられるビートたけしさんが登壇されたのです。一瞬で会場の空気を手中に収められたたけしさん。会場はとても大きな盛り上がりを見せていました。
ビートたけしさんが会場におられる。その事実だけで、芸を披露される皆様のモチベーションはどれだけ高まることでしょう。総勢十組の若手漫才コンビの皆様によるビートたけし杯が始まります。
一般のお客様だけでなく審査員席の皆様も、しばしば笑みを浮かべながらステージを楽しんでおられるようでありました。前半の五組が終了すると、審査員席にスポットライトが当たります。皆様による興味深くも面白いコメントがあり、ビートたけし杯は怒涛の後半戦に突入していきます。
総勢十組の漫才があっという間に終了し、「この日誰が一番ウケたか」が審査されます。
観客の皆様による投票と、審査員の方々の評価は一致しており、特に上位三組の皆様は大変多くの方々からの支持を得た僅差であったそうです。
誰もがイメージしやすいネタで、若さ・元気・爽快感にあふれていた点がお客様に刺さったのでしょうか。準優勝に輝いたのはモンローズのお二人です。「これ(この準優勝)を胸にこれからも頑張ってきたいと思います!」マイクもよそに抱負が語られ、会場からは大きな拍手が送られました。今後のご活躍が非常に楽しみであります。
そして接戦を制し、見事優勝に輝いたのはマッハスピード豪速球のお二人です。思わず「そこを持ってくるか」と言いたくなるようなネタと、「いかにも」なその世界観に、会場は引き込まれていました。たけしさんによる貴重な表彰状授与が行われた後、お二人にはサプライズが。なんと「第19回ビートたけしのエンターテインメント賞」における新人賞に選ばれたことが、たけしさんご本人から発表されたのです。昨年まではオフィス北野に所属していたマッハスピード豪速球のお二人は、たけしさんのお言葉で漫才を始めたそうです。ご本人の目の前で、漫才で優勝を果たすことができ、格別なうれしさがあったのでしょう。お二人の表情はとても輝いていました。
優勝の商品として、「江戸まちたいとう芸楽祭レギュラー権」も獲得されたマッハスピード豪速球のお二人。今後の芸楽祭プログラムへのご登場も楽しみであります。
ビートたけしさんは、「(舞台上で)同じことを繰り返さない。」「今日はウケたが、他の所ではウケないかもしれない。」という総評でイベントを締めくくられました。また、たけしさんがこの日、「関東での漫才ブームをもう一度。」というお言葉を繰り返し用いられていたことが、筆者には印象的でありました。今後のご活躍への期待に胸が膨らみます。
翌日のニュース番組等で取り上げられたことからも、注目度の高さがうかがえました。また、この日のビートたけし杯の様子はYouTubeで生配信され、アーカイブは現在も残っております。当日ご覧になられなかった方も是非、YouTube内「江戸まちたいとう芸楽祭チャンネル」にてご覧ください。ブラウザバックをしていただき、「詳しくはこちら」のボタンより、当該ページにアクセスすることができます。
レポート:芸楽祭ボランティア 頓所夕弥
写真:芸楽祭ボランティア 江頭幸宏