有料
2019年1月23日(水)
~1月27日(日)
会場:浅草九劇
「七月の客人(まろうど)」
近世妖怪譚「稲生物怪録」をテーマにした糸あやつり人形と役者たちとのコラボレーション企画。物語の舞台は昭和初期、浅草の見世物小屋を振り出しに、地方の有名な「化け物屋敷」に泊まり込み取材をすることになった少年雑誌の女性記者と、その屋敷に現れる化け物たちとの奇妙な交流を通して描いたひと夏の成長譚。彼女の胸に湧き上がる「せつなさ」を人形が清冽に描き出します。毎日新聞社主催の文学賞受賞作品。
※開場は開演の30分前
料金:(全席自由)前売4,000円 当日4,200円
台東区民割引:3,500円 ※前売・当日ともに
前売開始:11月20日(火)
チケットご購入先:エムズクルー 03-6228-1777
URL:https://www.facebook.com/e.mu.zu.crew/
★台東区民の方は台東区民割引チケットをご購入下さい。(販売開始日:11月20日(火))
ご購入先:江戸まちたいとう芸楽祭実行委員会事務局(台東区役所文化振興課9階④番窓口)
※要区民証明提示
電話 03-5246-1328(平日9:00-17:00)
エムズクルー with ファミリーアーツ (制作・亀)080-5478-9007
浅草には秘密の扉がある!?
40年前、彼らは同じ大学の学生だった。それぞれの人生を過ごした今、芸楽祭の舞台で再び共に芝居を創る。楽し気に語り合うオジサマたちの姿が、なんともカッコいい。
左から、ファミリーアーツ プロデューサー 亀和夫 エムズクルー演出 南英二 脚本 坂後昇
特別出演/糸あやつり人形遣い:田中純(第十一代 結城孫三郎)
この『七月の客人』は、脚本の坂後が1989年にまとめたもの。江戸時代の『稲生物怪録』をベースにした稲垣足穂の妖怪譚に触発され「この世界観をなんとか芝居にできないか」と舞台を昭和30年代の浅草に持ってきた。「浅草って僕にとっては“ハレ”の場所でね、時代をちょっと前にして、見世物小屋とか出してね。子供が『明日浅草に連れてってよ〜』って親にねだる、そういうウキウキした場所にしたかったんです。」と脚本家。もちろんハレの裏には物怪の“ケ”の要素もあって、その清濁合わさったところが浅草の面白さだ。「僕は以前にロックスのところでテント芝居に出ていたことがあるんですよ。そのテントに住み込んじゃってたんです。」と主宰で演出の南。世の中のバブル景気関係ナシである。「面白かったよなあ。浅草って、路地一本入ったら全然違うニオイがする。ちょっと怖いみたいな部分がちゃんと残っている街ですよね。」とプロデューサーの亀。この『七月の客人』では、そんな浅草で不思議な異界に駆け出しの女性記者が迷い込んでしまう。演じるのは、江戸あやつり人形。あれ?人間役が人形?「そうなんです。人形の眼で見たら、人間て歪だねえとか、化け物じみてるねーとか、はっきり見えちゃうんじゃないかと思って。ちょっと楽しみなんですよ。」と演出家。異界で待ち受ける妖怪たちも人間たちも「好き勝手やればいい」とオジサマ方はあくまでも楽しむ方向で。「妖怪ってね、実は、世の中のいろいろな事をストイックにわかっている存在なんですよ。」その事情を知らない無邪気な子供が、ある夏、妖怪たちと出会い、そのカラクリを知ってしまう。「つまりそれが、オトナになるってことなんだなあ。」『七月の客人』は、ひと夏の成長譚であったのだ。ところで、なぜ人は夏に成長するんでしょう?「夏休みがあるからね。タイムリミットつきの冒険!」「お盆もあるし。あの世とこの世がすっごい近いところにあるから妖怪も行き来が楽なんだね。」なるほど。真冬だけど舞台は真夏、演劇が創り出す異界へようこそ。